バトル・ロワイヤル小説を読んで思う事、ネタバレを書きたいと思います。
私は個人的にはかなり面白いと感じた。
皆さんにも是非読んでほしい作品です。
賛否両論ある作品ではあるが、読んだ人を魅了する作品のひとつになるはずです。
私なりの見解を語っているので是非参考にしてください。
バトルロワイヤル小説概要
まずはバトル・ロワイヤル小説を知らない方の為にどんな内容なのか?について見ていきましょう。
Q『バトル・ロワイアル』って何?
A1999年に刊行された、傑作デスゲーム小説。漫画家、映画化もされ、国会でも取り上げられた(後述)、世紀末を代表する怪作。
Q作者は誰?
A高見広春(たかみ こうしゅん)。著作は『バトル・ロワイアル』のみ。アメリカに強い憧れがあり、『バトル・ロワイアル』にも随所に現れている。
Q話題作?
Aめちゃくちゃ話題作。第5回日本ホラー小説大賞の最終選考まで残るが、中学生が殺し合う、というあまりにもショッキングな内容から、審査員が猛反発。受賞には届かなかった。(賞は上げたくないが、面白いことは確かだ、と審査員を唸らせた)。このことが業界を騒がせ、1999年、太田出版より刊行。あっという間にミリオンセラーを突破する。2000年に映画化。しかし、内容が過激すぎると国会で討議され、映画はR15となった。
Qどんな話?
A大東亜共栄国という架空の世界が舞台。この世界では、毎年各県の一クラスが孤島に拉致され、最後の一人になるまで殺し合う『プログラム』が存在していた。主人公のクラスは運悪く、その『プログラム』に選ばれてしまう。クラスメイト同士の殺し合いの中で、主人公は生き残ることが出来るのか……という話。
結論どんなポイントが魅力的なのか?について個人的に、二つ挙げられる。順番に解説したいと思います。
1ゲーム性が面白い
『プログラム』のルールは、エンタメ性と合理性、両方を満たした、画期的なものである。
まず、デスゲームの参加者が一クラスというのは面白い。今までの日常生活の積み重ねが、このゲームで顕著に示される。
不良だから信用できない、恋人だから合流したい、あいつなら信用できる、あいつは昔裏切ったから信用できない……。
ゲームに巻き込まれた中学生は、ゲームに参加する前にも日常があった。当たり前のことだが、これを蔑ろにしているデスゲームものの多いこと多いこと。
日常描写を大切にするからこそ、デスゲームの絶望感が際立つのである。
ルールがヤバイ
更に、爆弾付きの首輪と禁止エリア。これはすごい。主催者に逆らえば首輪の爆弾が爆発し即死する。首に爆弾が付いている……! この恐怖は、想像を絶するだろう。そして禁止エリア。単純に考えて、最後の一人になるまで殺し合っていれば、参加者の数は減っていく。
フィールドの大きさが変わらなければ、遭遇率は減っていき、ゲームは停滞する。禁止エリアはゲームが進行するにつれて増えていき、そこに入れば首輪は爆発する。これにより、遭遇率は減らず、参加者は最後の一人になるまで殺し合うことを強要される。
ルール考えた奴鬼かよ。
これを考え付いた作者の鬼謀に恐れおののくばかりである。
最注目ポイント
このゲームで最も面白いことは、殺し合う武器がランダムであることだ。
マシンガンやショットガンといった当たり武器から金属バットや鉈といった近接武器、防弾チョッキや毒、首輪探知機といった補助アイテムまで、参加者一人に一個、ランダムで支給される。
銃さえ引き当てれば勝ちでは? と思うかもしれないが、意外とそう簡単にことは進まない。
クラスメイト、一人一人のバトルをぜひ堪能してほしい。
クラスメイトのキャラが濃い(ネタバレ)
もし、自分のクラスが『ブログラム』に巻き込まれたら、どうしよう……。かつて、私はそんな妄想をしたことがある。
正直な話、もし銃さえ引き当てることが出来れば、脱出は無理でも、優勝は狙えるかもしれない、とそんな風に考えてニタニタ笑っていた。
気味の悪いクソガキである。
が、もし私が原作のこのクラスの一員で『プログラム』に巻き込まれていたら、最初の六時間であっけなく命を落とすだろう。例え銃を引いたにしても。
設定は中学生
本作に登場する中学生は、個性が強い、アクがきつい、超人揃いである。何しろ、主人公の七原は天才と呼ばれた元野球部で、正義感が人一倍強く、クラスメイトの女子複数から好意を寄せられ、作中でもボーガン相手に丸腰で勝利するなど、完璧超人であるが、彼はキャラが薄いとファンの間で話題になるのである。
それ以上に、脇役が濃いのだ。
まず、本作最強の悪役である桐山は不良グループのリーダーである。普通のデスゲームモノなら不良は頼りがいのあるタフガイになるか、すぐ死ぬやられ役であろう。
桐山に注目
しかし、桐山は違う。彼は先天的に脳に異常があり、感情が無い。生きるか死ぬかのデスゲーム、多くの中学生が友人と合流を目指したり、恐怖で発狂したり、死に物狂いで優勝を目指す中、彼は――コイントスで自分のスタンスを決めた。そして、偶々裏が出たので、自分のグループの仲間を殺害。マシンガンを手に、淡々とクラスメイトを殺めていくのである。
頭脳は人類最高レベル、身体能力も人類最高レベル、そんな奴がマシンガン手にフィールドの島中を動き回るのである。感情が無いので、情に訴えることも出来ない。
おまけに中盤からは防弾チョッキまで手に入れ、正に手が付けられない。本作は、最強中学生桐山の無双っぷりも見どころの一つだ。
他のクラスメイトも桐山に負けていない。スケバンのリーダーであり、日常描写から既に殺人経験がある相馬、中学生なのに主催する政府のパソコンにハッキング出来る三村、前述したマシンガン装備の桐山に棒術で応戦し撤退に成功した格闘少年杉村、光の神と交信して終盤まで生き延びた稲葉。
他にも濃い中学生がどんどん出てきて、どんどん死んでいく。それは、ある意味リアリティを損なうかもしれないが、エンタメ性という観点からは、最高としか言いようがない。
まとめ
『バトル・ロワイアル』は傑作である。内容があまりにショッキングであるため、誰にでもおすすめ出来るわけではないが、フィクションはフィクションと割り切れる方、グロ耐性がある方、群像劇が好きな方は、ぜひご一読を。
ちなみに漫画版は超人描写に拍車がかかり、映画版は超人描写は抑えめだが、芸術性は高い。
映画版2は、特におススメしない。
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